ブログ

たまなつちゃんの一張羅

おはこんばんち……こんばんは。Najikoです。

かわいい服を着せたい

 こちらは普段わたくしが使っているアバター、「たまなつちゃん」です。

 体はあまなつちゃん、髪と耳と尻尾はしらたまちゃんの複合改変アバターです。
あまりにも可愛くて仕方がないので、今年の6月に、あまなつちゃん専用衣装を数多く販売しているIstriaさんに依頼してワンオフ衣装を製作していただきました。元々の服装はこのように、あまなつちゃん用のキャミワンピにしらたまちゃんのアームウォーマーとスリッパ、というものでした。キャミワンピ1枚に上着は着ないでアームウォーマーをつけるという、寒いのか暑いのかよくわからん状態だったのですがシルエットは気に入っていたので、一体になった服が欲しいと思いました。

で、自分で描いたデザインがこちら。

 こうして見ると原案はまあまあ地味な感じだったのですが、さらにこれを元に祥さんに改めてブラッシュアップしてもらったデザインから作られた完成品がこちらです。

 かわいい!!
専用の帽子と、新調したサンダルも加わりまさに頭のてっぺんからつま先までフルで作ってもらいました。当初考えていたよりもずっとユニークで可愛い仕上がりになりテンション爆上がりです。


デザイン面では、わたくしがむちゃくちゃざっくりメモ書きにぶん投げていたしらたまちゃんマークが意匠に取り入れられてキュートマシマシのワンポイントとなっているのが最高のお気に入り要素です。

こういうのもワンオフ衣装ならではという感じがしますね。そして、こうして近くで見るとよくわかるのですが、布の質感も抜群です。

 そして何より、この衣装の最大の魅力であり特長……それはフワッフワのClothです。まさにこの部分がIstriaさんの真骨頂。アバター最高級ブランドとして名を馳せるYOYOGIMORIの制作チームにも「運ゲーなところがある」と言われた揺れものの挙動(※)を、一説ではUnity公式も仕様を理解していないとさえ言われるClothを利用してこれでもかというほど最適化した衣装のクォリティは一言で言えばオーパーツです。

(※なお、記事内のインタビューで紹介をされているアンキテちゃんのスカートは最終的にClothを用いずDynamicBoneで実装されているそうです)

 Clothコンポーネントは布の挙動を再現するUnityコンポーネントです。VRChat向けのアバターをいじったことがあれば一度は聞いたことがあるかも知れません。

 同じく揺れものを表現するコンポーネントとしてDynamicBoneがあり、よく服のスカートなんかにはボーンが入っていてDynamicBoneで揺れを表現していることがありますね。Clothはボーンではなく、適用したメッシュによって挙動が決まります。ボーンが不要なため、(意図的に極端に重く設計しない限りは)動作自体は軽くなります。

 しかし、このClothというコンポーネントは扱いが難しく、適当に手を出すとどうなるかというと、こんな感じになります。

 このマントはなんとUnityAssetStoreで売っているものです。しかもCloth設定済み。なのですが、実際にSceneに配置して再生ボタンを押してみるとその時点ですでに端が丸まってしおしおし始めます。あまなつちゃんに装備させてみたものの、当然そのままだと貫通するのでカプセルコライダーで貫通を防止しようとしました。しかしもはや焼け石に水状態。画像のように、動くと大暴れしたメッシュがコライダーの間に挟まって元の形状に戻らなくなります。これでは使い物になりません。

 一方、たまなつちゃんのこの衣装のClothは腰から下全部という大規模なものであるにもかかわらず、激しく動いても人間の可動域の範囲で足が突き抜けることはまずありません。ダンスしても平気です。突き抜けないだけでなく、コライダーにはさまったりめくれあがって元に戻らなくなることもありません。勢い良く動けばCloth部分は確かに大きく舞い上がりますが、立ち上がれば重力に沿って元の形状に戻ります。極端な話、体が逆さまになっても元の姿勢に戻ればClothも戻るのです。リセットアバターしなきゃならないようなことは全くありません。いやホントどうなってるんですかねこれ……

 手にスフィアコライダーを入れればこのようにカーテシーすることも可能です。

というわけで、製作していただいたのはかれこれ3か月近く前ですが、毎日着て大満足なのでした。実物が見たい方はいつでも会いに来てください。多分そのときも着てます。それではわたくしはVRCに行ってきます……

2019なんて怖くない?

 ワクワクするアレの副反応で一日のたうち回っていました。Najikoです。

2018から2019へ

 先日ついにVRChatで扱っているUnityのバージョンが2018.4.20f1から2019.4.29.f1に更新されました。ベータテスト時は4.28だったりもしましたが最終的には4.29.f1になりました。

 こちらの移行ガイドを参考にすれば、2018で作ったプロジェクトを引き続き2019のプロジェクトとして使用することが出来ます。(散々言われていますが、バックアップだけは絶対に取りましょう)しかし、身の周りでは2019移行に伴って情報が錯綜している様子がちょいちょいみられたので、その辺のちょっとした疑問についてQ&A形式で勝手にまとめてみることにします。

Q.2018関係のものはもう使えなくなるの?

A.使えます。

 2019に移行したからといって、2018でアップロードしたアバター、ワールドが使用できなくなることはありません。現在は公式サイトで配布されていませんが、2018で使っていたSDKを持っている場合はそれを使ってアバターやワールドをアップロードすることもできます。極端な話、2017ビルドのものも使用不能にまではなっていません。ただし、VRCSDKが2.0から3.0になった時と同様、今後旧バージョンのVRCSDKが更新されることはありません。よって、新たに(または更新して)アバターやワールドををアップロードする際は2019でアップロードすることをお勧めします。

 なお、それほど頻繁ではありませんが2018で既にアップロードされているものに不具合が生じる場合は2019であげ直す必要があります。具体的には、ワールドのシェーディングやUDONスクリプトの一部が該当することがあります。

Q.プロジェクトを移行すると色々壊れる?

A.ほとんど壊れません。

 移行の情報が出た際は「マテリアルがテクスチャの参照エラーを起こして全部設定し直しになる」「既存のコンポーネントはほとんど使えなくなる」「使えなくなるシェーダーがある」「ギミックがすっかり機能しなくなる」などいろいろなことが言われていましたがほとんどの場合は問題ありません。

 正しい方法で移行すればほとんどのものはそのまま使えます。ただし、一部コンパイルエラーを起こすものがあったりするのでそちらは2019に対応した最新版があればそれに更新するか、なければ移行後にプロジェクトから削除して下さい。有志が製作したスクリプトや拡張エディタなどはそのまま使えるか、ダメな場合でもその多くが既に2019に対応しています。

Q.Clothは死んだの?

A.2018と挙動は違うけど使えます。

 これについれは一番誤解が多そうなところです。まず、Clothコンポーネントが使えなくなったわけではありません。clothコンポーネントは以前と同じように使用することが出来ます。ただし、移行時にガイドに従った手順を踏まなければEdit constraintsで設定されたピン(ウェイトペイントみたいなやつ)がバラバラになり正しく動かなくなります。つまり、正しく移行すれば見かけはとりあえず動きます。

 ただ、ClothはUnity公式すら正しく挙動を把握していないといわれる不可思議なコンポーネントで、さらになんと2019で仕様が変わりました。具体的にはリンク先の話を読んでいただければわかるのですが、「fpsが下がると動きが遅くなる」「ウェイトによってメッシュが伸びることがある」というのが2018の頃と違う点です。そこに目を瞑れば、コンポーネントとして全然機能していない、ということはないのですが、いずれにせよ素人が手出ししても手の施しようがないので可能であればVRC側で修正が入ってほしいな、というところです。

Q.2019にするとなんかいいことあるの?

A.なくはないです。

 先述した通り、現在公開されているVRCSDKは全て2019向けのもので、2018以前のVRCSDKは更新されません。よって、それらはサポートが受けられず、VRC側の仕様変更などに対応できなくなる可能性があります。それ以外で2019にしていい点を列挙すると、

・アップロード、プラットフォーム変更にかかる時間が2018より短い

・アップロード時に暗号化処理がかかりリッピングされにくくなった(ソース不明。おそらくですが英語のリリースノートに書いてあります)

・2018では対応しておらず使えなかったアセットが使える

といったことが挙げられます。今後、PhysicsBoneの実装などいいことは増えていくと思われます。

Q.UIが黒いんだけど直せないの?

A.白くできます。

 こちらを参考にしてください。一般的に黒い方が目に優しいようですが、お好みで白くもできます。ただ、各種アイコンなどは2018から見た目が大きく変わっているものが多いです。

Q.Normalized Timeがない!

A.名前がMotion Timeに変わりました。

2018のもの
2019のもの

なんででしょうね。

Q.Inspectorが開かないんだけど……

A.最新のVRCSDKを使いましょう。

 更新されたばかりの頃のVRCSDK3ではよく起こるバグのようです。最新のVRCSDKを使用すれば直ります。ただし、プロジェクト内にコンパイルエラーを起こしているスクリプトがあると赤エラーを吐いて普通に開かなくなるので、その場合はプロジェクト内から当該のスクリプトを削除しましょう。

あとがき

 とりあえず思いつくのはこんなところです。新しい仕様のものに触るのには勇気がいるし、避けられない更新とはいえ今までの知識がひっくり返されるのはストレスです。とはいえ、実際には一部を除いて巷で言われていたほど極端な変更点はなく、移行ガイドに従えばこれまで使っていたプロジェクトをまるっと移行することが可能なので、今のうちに慣れておくと後々役に立つかもしれません。では皆さん、よいVRライフを。わたくしはちょっと横になります。

Avatars3.0にするとなんかいいことあるんですかの巻

 どうも、ご無沙汰してます。エッセイで食っていく方法を知っている人がいたらこっそり教えてください。というわけで今月のマンスリーNajikoのお時間です。

マンスリーといいつつ7月は記事を書いてませんが、8月に2つ書けば大丈夫。わたくしってそういうヤツです。

3.0移行からの歩み

 前回の記事ではAvartars3.0にいつの間にか移行していました、という話まで書きました。記事のタイトル通り、3.0にするとなんかいいことがあるのかと言われればもちろんあります。が、Avatars3.0は2.0よりも突っ込んだ部分のカスタマイズが可能になる代わりに、その仕組みを理解しなければ2.0でできていたことが出来なくなることもあったりします。

 例えば、このブログでも対処法の記事を書いていますが「こんちゃんの目がうるうるしなくなった」とか「飛行モーションを導入する方法が分からない」など。そもそも2.0から3.0に移行するための手順も慣れるまでは面倒で、特にアニメーションコントローラの中のステートマシンをいじる過程は、2.0ではアニメ―ションオーバーライドの存在により必要ありませんでした。しかし、一方で3.0にするメリットの一つはこのアニメーションコントローラを直にいじれる部分にあると言えます。

 手にアイテムを持ちたい。そんな時、2.0ならどうするでしょうか。ハンドサインのモーションにアイテムとなるオブジェクトを表示するアニメーションを仕込むか、EmoteSwitchを利用してエモートにアニメーションを仕込みますね。

このこんちゃんの遺影はフィストのハンドサインを出している間だけ表示されます。この方式なら実装は楽です。ただし、フィストにする度にいちいち遺影が出てくるので邪魔になる時があります。

このこんちゃんの看板はEmoteSwitchで実装しています。出し入れがスイッチ式なので邪魔にならないようにしまっておけますが、アニメーションを再生した時に自分を視界に入れていなかった人には見えないという欠点があります。

時は流れ、こちらはあまなつちゃんです。手にやたらきんきら金のチョコを持っています。これは左手をGUNにすると出るようになっているのですが、2.0とは違ってEXメニューという拡張メニューを使い、「チョコを出すことを許可するボタン」がオンになっているときに限りハンドサインで出現させることが出来るようになっています。さらに、この画像では開封状態ですが、デフォルトでは未開封状態で出現します。そしてEXメニューに設定した「チョコを開封するボタン」を押すと開封状態になる、という少しだけ凝った設定がされています。

 もし2.0でこれらを実装した場合、似たつくりには出来ると思いますが「チョコを出すのを許可するボタン」と「チョコを開封するボタン」はそれぞれを再生した瞬間を目撃した人以外には同期されないでしょう。しかし、3.0でEXメニューを使って同じことをした場合はどこで再生しても後から見た人にも見えます。設定も拡張エディタなどを必要とせず、覚えてしまえば簡単です。

 こんな風に全身ゲーミングカラーにしたければ全身のマテリアルをごっそり変更するか、シェーダーの設定を変えるアニメーションを再生する必要があります。これもEXメニューから再生できるようにすればいつでもお披露目できます。また、EXメニューではアニメーションのオンオフだけでなく0~100%までの間をボリュームのつまみを回すようにしてなめらかに数値を変更できるBlendTreeも使用できます。わたくしはマテリアル変更アニメーションをここに設定して、一定まで回すとゲーミングし始め、さらに回すと全身金色に……などといったことを1つの項目で実行できるようにしています。また、例えばシェイプキーが0のアニメーションと100のアニメーションをBlendTreeに設定すると、その間の値をつまみで自由に指定できるようになります。有名な例としては、これを使って胸を膨らませたりしぼませたりすることができたりします(バスト調整シェイプキーがあるアバターであれば)。わたくしは常に絶壁でいいので使いませんが……もちろん、シェイプキーだけでなくオブジェクトのスケール変更をしたり、シェーダーの設定の中にアニメーションでいじれる部分があればそれもなめらかに数値を変化させられます。「髪が伸びたり縮んだりする」「暗いところでどの程度明るく見えるか微調整する」「ゲーミングの色の遷移スピードを変える」などなど……これらは3.0で導入できる機能としてはおそらくは初歩的な部分なのですが、既にこれだけ自由度が上がっています。

 アニメーションコントローラーの中身を直接いじれるため、そこに配置するステートマシンをどのように遷移するか変数で細かく指定すれば、さらに複雑なギミックも工夫次第でいくらでも仕込むことが可能です。しかし、わたくしは現状そこまではしなくても「初歩的な」機能にすっかり満足してしまい、物を出し入れする時は一定の条件で「物を出す」「しまう」のみ、マテリアル変更などをするときは「マテリアル変更」のみのステートを設置しておしまい、というパターンより先には進んでいません。

 あまなつちゃん購入後はずっと3.0で様々なアバターをアップロードしてきました。しかしそれらすべてがそんな感じなので、一見わたくしがVRCを始めて以来学んできたアバター関連の技術も頭打ちになってしまったように思えます。けれどそれは裏を返せば、ちょっとやりたいことや見せたいものがある時はこれらの仕組みだけでおおよそ実現してしまえるということでもあります。モーションを披露したい時はアクションレイヤーを使ったりと少し細かい点での違いはありますが、大まかなやり方は同じです。

知識の泉

 え、それらの方法が詳しく知りたいですか?

でしたら、わたくしが解説するよりもわかりやすい記事があるので、そちらをご紹介しましょう。

【これだけ分かれば】Avatar3.0のオブジェクト出し入れ導入

VRCAvatars3.0で色変えギミックをつくる

Avatars3.0でログアウトエモートを導入する(わかってる人向け)

この辺が参考になります。

そんな感じで今回はおしまいです。気づけばわたくしがブログで解説できることももうほとんどないですが、気が向いたらまたなんか書きます。ではわたくしは寝ますので、おやすみなさい。

気が付けば3

 ごきげんよう皆さん。Najikoです。

今回は前回の記事の続き、なのですが……

あらすじ

 アバター改変に楽しみを見出したわたくしは、クリエイティブなフレンドの刺激を受けながら大きなイベントである遊戯王集会に参加し、改変の可能性を再認識した!
 といったところでした。ここまでは、Avatars2.0による改変を行っていました。それで、これ以降は多少2.0でいくつかの改変をした後3.0に移行することになるのですが……

こちらはこうめちゃんに似せたこんちゃん。テクスチャ改変が中心なら2.0でも大した問題はありません。

これはメイドこんちゃん。スカートを持ち上げるのがやりたかったのでBlenderでメッシュを分割して服にClothを設定してみようとしたのですが結局上手くいかず。

こちらはワールド固定でなすちゃんを設置するこんちゃん。Emote Switchを使用すればメニューから設置が行える……のですが、3.0ではこの手のカスタマイズがより容易になります。段ボールは自分で撮影した写真をテクスチャにしています。たまにはこういうのもアリですね。

Xデー到来

 ついに、その日が訪れます。9月4日。あのあまなつちゃんの発売日です。

https://komado.booth.pm/items/2351349

あまなつちゃんは期間限定アバター。しかし、流行のトレンドに敏感なえらい集会では瞬く間にその名が知れ渡り、あっちを見てもこっちを見てもあまなつちゃんだらけ……に、少なくとも数日のうちになりました。11月に再販される前から、わたくしの身の回りでは「期間限定なはずなんだけどみんな持ってる」といった人気ぶり。わたくしはそのブームに即座に乗っかったわけではなかったのですが、9月10日には買いました。

これは問題の写真です。何が問題なのかという話なのですが、服を見て下さい。ゲーミングしています。今でこそ、わたくしはなんでもかんでもゲーミングする人として認識されていますが、2.0時代には一部のアバターのみにゲーミングを仕込んでいました。なんでもかんでも仕込むようになったのは3.0での改変を覚えてからなのです。ところが、わたくしいつAvatars3.0でアバターを上げようと思ったのか、全く覚えておりません。以前キングこんちゃんを試しに3.0でアップロードしていたものの、詳しい改変の仕方はまるでわかっていませんでした。恐らく、あまなつちゃんをアップロードする時に、とりあえずせっかくだから3.0でアップロードしようと試みたのでしょう。そこまではいいです。それならば比較的プレーンなあまなつちゃんが3.0でアップロードされることになるでしょう。ところが……そう、このあまなつちゃん、ゲーミングしているのです(2回目)

 このゲーミングは単なるゲーミングではありません。Avatars3.0の目玉でもあるExMenuからRadial puppetを回してマテリアルを変更するギミックを仕込んで、通常の色とゲーミングカラーを行き来できるようになっているのです。けどわたくしいつそんなこと覚えたの? だって、この写真撮影されたの9月11日なんですよ。9月10日に買って、11日にはテクスチャを改変してExMenuで服をゲーミングカラーに? わたくしそんな頑張れる人間じゃない!! なんでじゃろ、こわ……しかしまあ、いつ習得したか覚えちゃいなかったですがこれが真実のようです。2.0から3.0に変換するツールも併用していますし、そんなに難しい内容ではないのですが、よく頑張ってますね……えらいえらい。

 短いですが、今回は以上です。この9月10日から11日のわずかな間にめちゃ頑張っていたわたくしですが、ここから現在に至るまでそれほど進歩していません。それだけここで学んだ技が汎用的だったということでもあるのですが……とにかく、改変は楽しいですよ!

クリエイティビティの泉

 皆さんごきげんよう。マンスリーNajikoのお時間です。

アバターと仕掛け

 今日のテーマはアバターの変遷についてです。前回までの記事で大体の流れを書いたんですけど、アバターの改変には方向性というものがあります。とにかくオシャレがしたい、という人もいれば、面白いアバターが作りたい、という人もいるでしょう。わたくしの場合、多少は面白さを出していきたいなという思いがありました。単なる色改変こんちゃんから櫻歌ミコちゃんに似せたこんちゃんにシフトした時点からその方向性は決まっていたと言えます。

 ところが、当時publicで遊んでいたわたくしはアバターに様々な仕掛けが施されているのを目の当たりにすることになります。何やら、手から物を出したりできるようなのです。手に持った銃から弾を出す人もいました。ちょっといいなぁとは思いましたがそんなことしてるのは自分よりランクの高いユーザーばかりだったので、「あー、こんなことできるようにはならないんだろうなぁ……」とあきらめ気味でした。

やってみよう

 とはいえ、櫻歌ミコんちゃんの時点で既にアバターに小物(チョーカー)を追加することには成功しています。ならば、出し入れくらいは調べれば簡単にできるのでは?と思い、やってみることに。

できました。このこんちゃんはハンドサインであずきバーソードを出し入れするようになっています。この頃はAvatars2.0で、アニメーションオーバーライドでハンドサインと表情アニメーションを設定していました。そこのFistのアニメーションの中に、デフォルトで非表示になっているあずきバーソードを表示状態にするアニメーションを追加すればOKです。この基礎技術の習得で、改変のバリエーションは大幅に広がりました。ちなみに、このこんちゃんは風来のシレンの感じをモチーフにしています。

 ただ、大幅にといってもそんな急にはいきません。そこからさらにやったことがないことに手を出そうとするとかなりのエネルギーが要るものです。そんなとき、わたくしに刺激を与えた人物がこの方。

フレンドのみつき氏です。あまりいい写真がなかったのですが、このアバターには既に写っているだけで3つのギミックが搭載されています。まず第一に、ばらまかれた「えらい」の文字……少し遡って、わたくしが初めてみつき氏に会ったのは、さらに古いフレンドのティズさん経由でした。ある日ジャパンストリートにいるとき、ティズさんが「みつき」と呼ぶ人がいたのです。呼び捨てしてるし、リアルで知り合いなのかなぁ、と思っていたら案の定リアフレだったのですが、それはともかくみつき氏は最初に出会った時からマネーガンでゲーミングパーティパロットのカードをばらまく面白ギミックをアバターに搭載していました。わたくしが初見であきらめた「銃を撃つ」ギミックです。後にえらい集会に出るようになり、「えらい」の字をばらまくギミックに変わりました。更にそれだけでなく、みつき氏は次々と新しいギミックを披露してきます。この画像ではサングラスをかけていますが、なんとこのサングラスはハンドサインで脱着することが出来るのです。そして、何か棒を持っていますがこれは木魚を叩くギミックに使用するもので、木魚にはsit判定までついています。わたくしの幽霊こんちゃんも何度となく成仏させられそうになりました。

サングラスを外すギミックは、物の出し入れの応用で仕組みがすぐに分かったのでマネしました。こちらはオブジェクトのオンオフで行っていますが、Constraintを使うやり方もあると知るのはまだ先の話。ちなみに、先ほどの画像でみつき氏はゲーミングアウトラインシェーダーを使っていますが、わたくしはこのなすちゃんのように、そこで知ったゲーミングシェーダーの魅力に憑りつかれて今でも多用していますからその影響力たるやすさまじいものがあります。

みつき氏はモデリングにも堪能で、ティズさんに頼まれてコントローラーを作ってあげたりしていました。制作物を仕上げるスピードも速く、現在も凄まじいクリエイティビティを発揮しています。モデリングに関してはわたくしも手を出してはみたもののとてもみつき氏のようにはいきませんでした。それでも、VRChatであれもこれもできるんだ、という刺激はわたくしの改変に拍車をかけていきます。みつき氏も無言勢で、フリップに面白画像を出したりしてユニークな意思表示をしていたこともあり、無言勢のコミュニケーションのための有効な改変の仕方も学んだと言えます。

ちなみにみつき氏のBoothのページはこちら。

允喜屋 https://mitsuki-monooki.booth.pm/ #booth_pm

本人も使用している意外なものが販売されていたりします。

賢者と愚者と決闘者

 さらにわたくしに大きな衝撃を与えた催しがありました。それが魔術師集会です。魔術師集会には、アバターギミック開発の魁と言える技術者の頂点が集う勉強会です。そんなところにド素人同然の知識レベルで乗り込んだわたくし。

なんと自分以外の幽霊こんちゃんとも遭遇。世界は広いですね。

絵本から出入りするギミックを仕込んでいるkurokuroさん。アバターを使ったパフォーマンスをあちこちでされていますが、その歴史は長くVRChatのサービス開始当初からアバターを使ったギミックを研究されています。さすがにわたくしには絵本から出るギミックなどは到底再現不可能ですが……

シェーダーのマスク値を利用した窓枠芸の仕組みを集会で学び、自分のものとすることが出来ました。このギミックは様々なことに応用が利きそうではあるのですが、わたくしは窓枠で満足して他には流用していません。今でもこの頃の技術レベルで実装したギミックとしてはわたくしの中ではオーパーツだったな、と思います。この芸は今お出ししても好評なほどで、魔術師集会で得られたものの偉大さを感じます。仕組みはそれほど難しくはないのですが、見た目にこれほどのインパクトがあるギミックの実装に成功したことは自信につながりました。

その後はエモートスイッチでシュノーケルや浮き輪の脱着が出来る水着こんちゃんを作成したりと、着々と実装できるものを増やしていました。

さらにこの頃にはAvatars3.0も登場。まだ叩き台としてアップしたものですがキングこんちゃんは初の3.0アバターでした。そしてこの夏、わたくしの獲得したなけなしの改変技術の集大成となったのが……

遊戯王集会です。みつき氏や、この前に新しく知り合ったふじよしさんやあんにゅいさん、しろクラゲさんなど多くのフレンドが遊戯王集会を楽しみにしており、この時に向けて各々可能な限りの手間をかけてアバター改変を行いました。左端に写っているバナナがたくさん刺さったなすちゃんがわたくしが召喚しているインフェルニティなすドラゴンです。今見ると、自らモデリングして実装したフィッツジェラルドを召喚しているみつき氏や、こちらもモデリングしたアークナイトを召喚しデュエルディスクとDゲイザーまでこんちゃん用に自作したあんにゅいさんには遠く及ばない完成度ではありますが、この時はとにかく完成度の差などはどうでもよかったのです。自分がやりたいことを実現させて同じテーマでお祭りを楽めたことが、わたくしにとって最高の体験となりました。

ベクターと和解するあんにゅいさんのシャークこんちゃん。透過を使ったDゲイザーが光ります。

 それからは改変の勢いも少しずつ穏やかになってはいったものの、まだまだこんちゃんは増えていきます。一応この後しばらくはAvatars2.0でアバターをアップロードしていましたが……この先の話は長くなりそうなのでまた今度。

無断転生

 前略、Najikoです。ご無沙汰しております。

特に何かあったわけではないのですが、気持ちが落ち込んでしまったので気晴らしにVRCライフの記事でも書こうと思います。楽しい記事にするぞ。

VRCの中の自分

 前回の記事、というともういつの話か分かったもんじゃないですが、そこではVRCにインして、フレンドをみつけ、今日も一日生き延びてえらい集会に参加して輪を広げたところまで書きました。

 VRCでは、人が使う様々なアバターを見ることが出来ます。どんなアバターを使うか、またアバターをいじる技術を身につけたらば今度はどんな風に改変するか……たくさんアバターを持っている人もいれば1体のアバターを使い続けている人もいますが、アバターはVRCにおけるアイデンティティの根幹に関わる部分だと言えます。

これはVroidで作成したアバターで、最初にそれを使ったときの写真です。よく撮れてるかはともかくとして、初めての自分だけの身体を写した大切な思い出の写真です。VRCにおけるNajikoの”数ある誕生日のうちの1回”といったところです。

 その後わたくしはこんちゃんをたくさん改変し始めました。今でも、48種類改変するという目標に向けて非常にスローペースながら気分次第でやっています。既にこれまでに30種類くらいのこんちゃんをアップロードして使ってきました。

この写真はわたくしが初めてテクスチャの色を改変したこんちゃんを使ったときに撮影した、これまた大切な思い出の一枚です。これもNajikoの数ある誕生の日のうちの1回と言えるでしょう。

 さて、この辺まではいいんです。この頃は自分のためだけにアバターをアップロードしていました。しかしここから次第にアバターを作成したり改変したりする目的が、フレンドに見て欲しい、感想を言ってもらいたい……といった方に向いていきます。承認欲求、とまではいかなくとも、VRCで無言であるわたくしにとって、改変によって「これ見て」とアピールすることはコミュニケーションの重要な方略の一つになるのです。ちやほやされたいわけでも、不特定多数に賞賛してほしいわけでもなくただ、いつも遊ぶフレンドに「お、新しいやつだ」と言ってもらえれば重畳。そのためにはただの色改変や着せ替えだけでなく、少し変わった目を引く何かを仕込んだ方がいいだろうと考えて、なるべくそのようにしてきました。

これは櫻歌ミこんちゃんになって最初に撮った写真です。このこんちゃんは、VRCでもアバターが使われてよく知られているVtuberの櫻歌ミコちゃんに似せる改変をしたこんちゃんです。ほとんど単なる色改変で小物のチョーカーを足しただけですが、ただ服がピンクのこんちゃんをアップロードするよりは多少話のタネになります。わたくしにとってはこのわずかな差が生命線と言えるほど大事な要素だったのです。

これは薄すぎてほとんど見えなかった初期の幽霊こんちゃんです。右手に遺影を持つギミックを仕込んだこの幽霊こんちゃんは未だに見知らぬ人の前でお出しするとウケがいいヒット作改変です。自分の姿を見て喜んでくれる人がいるということは、とても嬉しいものです。

 そんな感じで日々改変を重ねていた頃はあまり意識しなかったのですが、もしわたくしがアバター改変を一切やめてしまったら? 見たことのあるアバターでしかインしなくなったら? Najikoのガワの鮮度が落ちて、フレンドの輪の中であまり関心を持たれないようになったら……それは今にして考えればとても恐ろしいことです。あの頃は、無意識にそれを避けるように改変にいそしんでいたのかも知れません。

再誕の時

 時は過ぎ、わたくしはこんちゃん以外にも複数のアバターを使うようになりました。そのうちの1体であるあまなつちゃんは現在に至るまで改変を重ねているとてもお気に入りのアバターなのですが……

 わたくしの”改変”に一つの転機が訪れます。そのきっかけは、ある一人のフレンドでした。それがぱんだの中身さん(ぱんださん)です。

ぱんださんはVRCを始めた頃から少しずつシェーダーを書く訓練をして、今では3次元空間上で装置として機能する極めてユニークなシェーダーを作り上げています。そうしたクリエイティビティのきっかけとして、わたくしがこんちゃん改変を重ねていた時のことを挙げてくれたのがわたくしは何より嬉しかったのですが、それはそれとしてとにかくかわいいのでちょっかいをかけていました。

こたつで横になっているぱんださんに積極的に折り重なって頭をわしゃわしゃするなどロクでもないことをしていたわたくしですが、どうせなら逆になってもらうのもいいかも、と思い普段使っているあまなつちゃんにパジャマを着せ、誘い受けを試みることにしました。ようやっと意図を汲んでもらい、実現した時の様子がこちら。

絵面がNSFWのそれですが、別にやましいことは本当に何一つなく、頭を撫で合っているだけです。なお、わたくしは三点トラッキングで仰向けになるために補助IKまで使用している手の込んだ挑戦です。

これには横で眺めるフレンドも思わず黙ってお茶を飲み始める始末。何を隠そう、このワールドはあんにゅいさん(写真左)のワールド。その一角の布団でわしゃわしゃしているのですからもう手に負えません。

ここまでならまあ、ちょっとした(?)悪ふざけで済んだのですが、この後わたくしはさらにとんでもないことを思いつきます。それがこちら。

子を儲けたのです。実は、わたくしは以前ぱんださんに触発されてしらたまちゃんを購入していたので、あまなつちゃんのボディにしらたまちゃんの髪形としっぽを合わせることが出来ました。それで件のやり取りの後、唐突にこのアイデアを思い付いたのです。しらたまちゃんとあまなつちゃんで、たまなつちゃんと名付けました。この時は、仕込んだ写真のブラックジョークぶりも相まってたまなつちゃんを見た誰もが驚愕しました。考えてみればとんでもない話です。ぱんださんはわたくしの誘いに善意で乗ったばっかりにその様子を写真に撮られた挙句それを既成事実として子供がいることにされているのですから。しかも、あんにゅいさんの部屋で。正直な所、ちょっと怒られるかな、と思いました。怒られたらそれはそれですっかり反省しただろうと思うのですが……

ぱんださんは意外にも自ら「パパだよ」とたまなつちゃんを認知してくれました。あんにゅいさんもまた、”可愛い”の誕生を喜ばしいことと言ってくれました。正直言ってわたくしは自分が許されたことがにわかには信じられませんでしたが、それは紛れもない救済でした。ロクでもない邪悪なイタズラとその結果誕生したたまなつちゃんは拒否されることなく、受け入れられたのです。それに多くの人がたまなつちゃんをかわいいと言ってくれました。わたくしはそれが本当に嬉しくて仕方ありませんでした。悪ガキレベルの”注目されるために何かをする”段階の先で、”許容された”という思いが、わたくしをあるべき姿へと導いていく。たまなつちゃんはそのシンボルとなりました。イタズラで生まれた彼女は決して呪いの子ではなく、「かわいいね」「よかったね」と祝福を授かってVRCの大地に降り立ったのです。図々しい解釈と言ってしまえば身もふたもありませんが、結果的にたまなつちゃんはわたくしがコミュニティの輪に守られて許容されていること自体を指す標として、一つの終着点となったのです。たまなつちゃんの誕生は、n回目のわたくしの誕生の日の一つの区切りとなったと言えるでしょう。

まあ、たまなつちゃんが生まれてから全然アバター改変をしなくなったかと言えばそんなことはないのですが、少なくともたまなつちゃんがわたくしのアイデンティティを繋ぎとめる楔となってくれていることには違いありません。つい先月には、Blenderに詳しいきたむぅさんの助言を得て袖のウェイト調整とfbxのブラッシュアップを行い、より愛着が湧いています。

そこにいるということ

 たまなつちゃんの姿で、というだけではないですがVRCのいつもの場所にわたくしが当たり前に足を運ぶことが出来るということは、そこに自分の居場所があるということに他なりません。最初に、本当に最初に、VRCの案内をしてくれた大好きさんが言ってくれたことが思い出されます。

「人が話してるところにいて、話を聞いてるだけでもいいからね」

本当は最初から、わたくしは注目されるために頑張るようなことはする必要がなかったのかも知れません。けれど、怖かった。相手にされなかったり、受け入れられなかったりした結果、「ここにいられない」という思いが生じて息が出来なくなるのが恐ろしかった。しかし、少なくとも今のコミュニティの中ではそれが杞憂であったということをたまなつちゃんの一件が証明してくれたと、わたくしは思いたいのです。だからその記念碑として、わたくしはたまなつちゃんを愛し、フレンドに感謝と報恩を、と心から思います。ありがとう。わたくしを受け入れてくれる人々、わたくしの話を聞いてくれる人々、そしてわたくしと遊んでくれる人々。

怱々。

Murder4攻略情報

前書き

 どうも、Murdererになると何故かめちゃ怖がられているNajikoです。

 この前はSummerSweet!マーダー部の記念すべき第一回イベントを行いましたが、マーダー4が人気ゲームなこともあり大盛況でした。参加いただいた皆さんありがとうござました。

マップとその概要

 今回は久々にマーダー4の攻略記事になります。こちらはSummerSweet!マーダー部一同の調査協力に基づき、デザイン担当のイルカの人氏が作成してくれた全体マップです。

 Hervestとあるのはこの黄緑で塗りつぶされたエリアに証拠品が入っている可能性があり開け閉めが出来る棚などがあることを示しています。実際にはこれらの他に目視できる部分に裸の状態で出現している場合もあります。それらは場所が細かく散らばりすぎていてマップに書き入れられないのですが、家具の影や高い棚の上など一見すると見つけるのが困難な場所に出ることもあるので注意が必要です。

 Pictureの位置はマップに示していますがそのいずれも置いてある物の影に完全に隠れており、そこに行くだけでは見えません。どんな場所にあるのか明記しておきます。
Garage……立てかけられた絵画の影
Library……イスの下
Cellar……棚の横のイスの下
Kitchen……置いてある鍋の下
Billiard Room……棚の中に置いてある物に紛れている

Murderer時の立ち回りについて補足

 各役職の立ち回りについては前回の記事でおおむね書ききりました。Murdererに関しては大まかにまとめると、初手で探偵の部屋に突っ込むかそれ以外か、に分かれます。突っ込んだ場合は強襲に成功すればそのまま他の誰かに銃を拾われないように気を付けながら残りのBystanderを刺すだけです。

 突っ込まない場合どうすればいいかというと、証拠を集める、隠れながら刺す、と2パターンができそうに見えますが、これらはいずれも運の要素に左右されることが多く時間が経てば銃を持つ人が増えてしまう可能性が高く、不利になるのでお勧めできません(話術で銃を出したプレイヤーを騙して刺し、銃を奪うことが出来るくらいの自信があるなら話は別ですが)

 しかし、写真を集めるという第三の選択肢について、前回の記事では論外みたいに書いていましたがこれが案外大アリだったりします。具体的には、写真を5枚集めて積極的にカメラを取り、銃持ちを撮影して画面が明転している間に刺してしまう、という戦法です。探偵の銃の場合自分で拾えないのであまり美味しくないですが、Bystanderが出した銃を奪えれば大いに有利になることが出来ます。逆に言えば、Bystanderはナイフのある部屋で待機していない方が安全です。わたくしはよくBedroomで銃を構えていますが、これがあるのでカメラを持った人が近づいて来たら撃ち抜いています。

 マーダー4については大体の事はもう書いたので今回はマップ大公開! で内容はほぼないですが、今後もSummerSweet!でマーダーのイベントを開くことがあるかも知れないので、その時はよろしくお願いします。Najikoでした。

Avatars3.0で飛行モーションを入れる

 皆さん、”生存”していますか?
わたくしはちょっと微妙です。Najikoです。

前書き

 そんなわけで今日やりたいのはこれ。はいドン。

 飛行モーションの導入です。

 今回お借りしたモーションはこちら。

[VRChat向け]飛行アバター用の移動モーション | ふっとうわーく
https://booth.pm/ja/items/1456118 #booth_pm

 これを説明書に従って導入すればおわりっ!
……とはいかないのがAvatars3.0の辛いところ。というのも、こちらのモーションも2.0の頃に公開されたものなのです。Avatars2.0の頃は「アニメーションオーバーライド」といって、ハンドサインに入れる表情や移動モーションにあたるアニメーションを一括で管理してくれるファイルを使用できたのですが、3.0からは自由度が爆上がりした代わりにこれらを別々のコントローラーで1から設定しなければならないのです。表情などは自動化ツールや各種情報が溢れていますが、移動モーションは調べてもなかなかいい情報が出てこなかったので書くことにしました。

Boothの商品写真にも出ているこちらがアニメーションオーバーライドです。ここの各項目にアニメーションをドラッグアンドドロップするだけですから、楽々ですね。しかし、3.0ではそうはいかないので早速Unityを開いて設定を開始します。

ファイルの導入と設定

 まず最初に、当該のモーションをBoothからダウンロードしたら、Projectタブの適当なフォルダにダウンロードしたアニメーションファイルをドラッグアンドドロップしてインポートしておきます。その上で、アバターの設定を行っていきます。

こちらはこの前の記事までも使用していたこんちゃんのVRC_Avatar Descriptorの一番下の方です。表情関係のレイヤーなどが入っているFXレイヤーはお馴染みですが、FXレイヤーが所属している「Base」グループの上の方に同じく「Base」という項目があります。ここの「Default Locomotion」をクリックすると……

任意のレイヤーを選択できるようになるので、下の方にあるvrc_AvatarV3LocomotionLayerを選択します。

選択した後、そこをダブルクリックするとvrc_AvatarV3LocomotionLayerが開きます。こちらは移動したりしゃがんだりしたときの動きを制御するステートが入っています。

制御ファイルの編集

3つ並んでいるステートの一番上のオレンジ色のやつをクリックしたところです。右上のファイル名で「vrc_standingLocomotion」というモーション制御ファイルが使用されていることが分かります。

さらにそこをダブルクリックしたところです。さあ、いよいよ訳が分からなくなってきました。
ここにはどの方向に移動するときにどのアニメーションを再生するかが記録されています。右上の青いダイヤは下の表のPosX、PosYの値に従って位置が変わり、「アバターがそのダイヤの方向へ移動しようとしたとき」を示します。そして、実際に移動した時はそこに設定されているアニメーションを再生するというわけです。

まずここで、「vrc_standingLocomotion」をCtrl+Dでコピーし、「vrc_standingLocomotion Fly」とリネームして、先ほどのMotionのところにドラッグアンドドロップし、ダブルクリックして編集を開始します。

悪いことは言わないのでこの通りに設定しましょう。
実現したい動きに向けて設定の目処が立つようであれば調整してもいいと思います。
この設定値自体は確かどっかで見た値を参考にしているのですが元がどこだったかソースが追えなくなってしまいました。「おお、これ俺が考えたやつじゃん」という方がいたらソースとして貼りますのでご一報ください。
一番右のチェックボックスは、当該のアニメーションを再生する際に左右反転する、というチェックです。
一番下のProxy_stand_stillはデフォルトで設定されているアニメーションのうちの一つです。デフォルトで設定されている項目をクリックするとそのフォルダに飛ぶので、その中から見つけて設定しましょう。なお、設定項目は右下の+-で追加したり削除したりすることができます。

次に、同様に3つ並んだステートの一番下の「Prone」をクリックし、同じようにMotionに設定されているモーション制御ファイルを見てみると、こちらは「vrc_ProneLocomotion」となっています。こちらも同様にproject上でCtrl+Dでコピーし、「vrc_ProneLocomotion Fly」にリネームしてMotionのところに入れます。そしてそれをダブルクリックして開き……

今度はこのように設定します。こっちは値やチェックボックスをいじる必要はなく、アニメーションファイルを差し替えるだけでOKです。

これで設定は完了です。あとはいつも通りアバターをアップロードすれば……

完成!!

 最初は全くプレーンな状態のこんちゃんでしたが、今やEXメニューから看板を出したり尻尾に椅子があったりホバー移動するようになりました。見た目が無改変でもだいぶカスタマイズ性が発揮されてきて感慨深いものです。こうして思うままにアバターをカスタマイズし、なりたい自分を目指しましょう。

 なお、前回「マテリアル変えるやつの記事書く」とか言ってましたがそれは調べれば結構情報も出てくるやつなので気が向いたら書きます(小声)

心が折れた話

 お久しぶりです。Najikoです。

 今回の記事はこう、誰に役に立つとか、誰に読んで欲しいとかは一切ない完全な私怨と愚痴です。なんでそんなことをわざわざブログに書くかと言われれば「とにかくなんか書かないと気が晴れないから」としか言いようがありません。読んでもらうことより書くことが目的です。自分の為に。

 突然の自分語りですが、わたくしは人に置いていかれるのが大変苦痛です。疎外感と劣等感をいっぺんに味わうのが耐えられません。それは例えば、自分だけうまくできない、といったものも含まれます。わたくしはとにかく、実力で勝敗が決まる勝負を避けます。子供の頃からゲームは好きですが対戦になるとそれはもうはちゃめちゃに負けてカモられるだけなので、対戦するのが大嫌いでした。下手なのです。しかし、周りがのんきに楽しみながらそこそこの腕前を持っているところに無茶苦茶努力して追いつくのも大昔の野球漫画みたいでとても辛いので、勝てそうにない試合は避け続けてきました。

 それはもう仕方がありません。拗らせてしまったものを矯正するのは大変です。人間、向き不向きがあるのですから向いてないことにストレスをかけられるよりは競わなくて済むもので心を満たす方が幾分健康的です。ですから、VRCでもわたくしはPvPのFPSワールドなどはあまり乗り気でなく、よく観戦していました。やりたくなければ見ていればいいわけですからそれはなんてことありません。ところが、そんなわたくしがうっかり足を突っ込んでしまったワールドがありました。

 それがPandoraです。Pandoraは広大な土地に作りこまれた掛け値なしに美麗で壮大な世界を駆け巡り、謎に包まれた仕掛けを解いていくワールドです。はじめはEp.1から始めて、そこでは案内人の方の手を借りてなんとか最後まで行けました。そして最近Ep.2以降をフレンドと案内人なしで攻略していました。

 話が前後しますが、わたくしがPandoraを知ったのはまだチュートリアルワールドで初心者案内の写真に写り込む亡霊だった頃のことです。こんなうわさを耳にしたのです。
 「Pandoraっていう難解な謎解きワールドがあるんだが、そこは何㎢もある広大なワールドで、とても独力では回りきれないらしい。それをやろうものなら何日もかかることになるから、普通はそんなPandoraを知り尽くした「マスター」が案内をするPandoraツアーに参加してようやく普通に遊べるということだが、それでも数時間は平気でかかる。近頃、その中でも最も広大なEp.4が公開されたとか……」
わたくしはそれを聞いた時、途方もない話だと思いました。最初から、そんな大変なところに挑もうとは思いませんでした。しかし、時は過ぎ、フレンドも増えてわたくしもそのツアーに参加する機会があったのでEp.1をやったわけです。謎は確かに難解で、思うところが色々あるのですがそれについては後述します。しかしこの世界観、続きは気になります。またのちのエピソードのツアーに参加するかな……と思っていましたが、最近フレンドが独力でワールドを巡っているのを見て、つい首を突っ込んでしまったのです。

 確かに噂通り、攻略には日数を要しました。それでも力を合わせれば、と言えればよかったのですが、実際にはフレンドが謎を解いていくなかわたくしは独力では一つもロクに解答できませんでした。この時点で結構しょんぼりなのですが、解けなかったものは仕方ありませんし、同時に挑んでいる以上は「一応は一緒に考えた」というところで納得がいきます。それに、しょんぼりするぐらいなら手を引けばいいかと言えば、先の事は気になるし、フレンドと取り組んでいるのが楽しくて行っているのですからそうもいきません。ここまできたらあとで別に案内人のツアーに参加する気にもなりません。もうこれはわがままというほかないのですが、なんでそんなんなのかと尋ねられてもそれはホラーワールドが苦手な人に「なんで苦手なんですか」と尋ねるのと大差ありません。理由は出ますが最終的には「そういうもんだから」としか言いようがないのです。Pandoraの謎と一緒です。そして、時に怖いもの見たさでつい苦手なホラーワールドに行ってしまうように、わたくしも「最後まで見たい」というモチベーションだけは持ってくっついて行っていました。人間、わかっていてもやめられないことや「そんなことで」と思われるところに固執することは誰しもあると思いますが、今まさにそういう状態なのです。

 問題は、攻略はいつも一緒とは限らないことです。時にはわたくしがインしていないタイミングでフレンドが謎を解くこともあります。ここで「置いて行かれ」が発生します。謎解きはバラしてしまえばおしまいですから、フレンドも気を遣って「こんなんだったよ」とは言わないでくれます。それでわたくしはひとまずソロで追いつくためにその謎に独力で取り組むことになります。しかし、どれもこれも一人ではいくら考えても一向に解けずに結局は首をかきむしるような苦しい思いをしてヒントを乞うことでなんとか最低限の解答は出して次に進んでいるような有様でした。そもそも、Pandoraの謎は普通の謎ではありません。「これは解けない俺が悪いのか?」と言いたくなるような仕様のものがままあるのです。全部ではないですが。具体的に例を挙げていくと、

・解答に使うものが何かわからない
・解答に使いそうなものを操作しても正答以外には一切反応しない
・手がかりが答えに結びつかない、答えを見てもなお一意に結びつくと思えない
・そもそも手がかりが少ない
・答えに何を要求されているのかわからない
・バグで謎解きに必須になる手がかりが出ない
・必須の手がかりが解答する箇所から数キロ離れているところにあり、場所は示されない
・仕掛けは存在するが一切使わないもの(いわばダミー)がある
・他の収集要素をコンプしないと出ないものがある

など、おおよそ人が解くようにデザインしているとは思えないものもあります。なお、これはまだ単独で解答する場合に限る話で、これがワールドに2人以上いる場合、

・同期ズレで攻略が不能になる
・でも2人以上必須の謎がある
・2人いると表示のみが壊れ、3人以上いるとギミックが動かなくなる箇所がある

等更なる不具合が発生します。こればっかりはVRCの仕様もあるので仕方がない部分もあるのですが、「案内人が必要な難易度設定」と「2人以上必要なギミック」とは矛盾する内容です。しかも今のところ攻略中のEp.3まで毎回複数人必要なギミックが存在し、複数人で行くと壊れるギミックも同時に存在しています。それでも、解いたものが謎解きとして普通に成立しているような内容なら「あー、これは一本取られたー」とそれなりに楽しんではいたのですが……

 そんな楽しみも砂上の楼閣。わたくしは今回の謎解きで完全に心が折れてしまいました。色々あったのですがまあ、具体的な謎の答えは書かないようにしつつもそこで何があったかにかなり触れる内容は書きたいのでここまで読んでなお独力で全部やりたいという方は是非ブラウザバックしてください。ここまで愚痴にお付き合いいただきありがとうございました。

一呼吸置きましょう。

穴埋めのボーナスステージ(?)をご覧ください。

時には気晴らしも大事です。

では書きます。

 その謎は、手がかりをもとにある数字を入力する謎でした。数字を入力する、という解答方法は分かるのですが数字が何桁なのか、そもそも数字を入力するのが最終目標なのかは最後までわかりません。そして、その手がかりは他の仕掛けに所定の操作を行うことで変化する、対になる個所から得られます。それぞれ、

A.視覚では捉えられないが直接答えに結びつく(と、あとからわかる)手がかり
B.視覚で捉えられるが答えを見ても関連性がよく分からない手がかり

でした。実はこのヒントは、対になっているもののいずれも同じ数字を示す手がかりであると後でわかりました。しかし、その理由は結局わからずじまいでした。というのも、この手がかりを与えてくれる対になっている存在がそれぞれ同じ数字を同時に提示するに至ったのは単なる結果であり、実際にはそれらが結託して1つの答えを作り出した可能性も考られたからです。つまり、このAとBの手がかりはそれぞれ「数字を導き出すものではないか」と類推できたとしても、それを組み合わせるものなのか、単独で使うものなのか最後までわからないのです。

 さらに、それらの手がかりのうちBは所定の手順を踏めばいつでも視覚的に認識することが出来ますが、Aの手がかりは視覚で捉えられない上、そのうち重要な一つは所定の手順を踏んでも一回しか提示されず、気づかないと二度ともらえません。そこだけは他の手がかりがイマイチ答えに結びつかないBの方を参考にすることになります。Bの方はほとんど数字に結びつかないので、この時点では手がかりなのかどうかもよくわかりません(しかも前述のとおり解答中はAとB両方使うのか、どちらかから読み取ればOKなのかは判別できません)。さらにわたくしが行ったときはバグでAの手がかりの内必須のものが一つ得られない状態になっており、この時点で完全に詰んでいました。それでフレンドにヒントを求めたのですが、そこでエリアガイドを読めば手がかりが数字に結びついてくることを教えられました。しかし、このエリアガイド、メニューからいつでも見られるものの、他の箇所では謎をクリアしなければそもそもその場所の説明が表示されないのがほとんどでした。しかし、この謎については何故か途中で本文が解放されるようになっているのです。それに気付かなかったわたくしですが、まあそう言うこともあるとここでは割り切って本来クリア後に読ませるものであろうエリアガイドを途中で読んで、かろうじて手がかりに従った数字をいくつか導き出します。しかし、入力を試みても当然正答には至りません。だって、この時点で必須の手がかりを1つ得られない状態になっていますから。もう完全にドツボにはまっています。バグで解けないのか、自分が気付かないだけなのかすらわからないのです。それで、仕方がないのでわたくしは手がかりの1つ1つを照会して「この手がかりの解釈はこれで正しいのか?」とフレンドに尋ねました。もはやほぼギブアップ状態です。そこで初めて、一つの手がかりが得られない状態になっていることが判明し、これまた仕方がないのでそこの値だけは教えてもらいました。しかし、これでもなお前述の「これをどう使うか」がいくら考えてもわからず、数十分ああでもないこうでもないとやり取りをした結果ようやく解答が済みました。結局Bの手がかりは答えを見ればかろうじて結びつけが出来る程度で、そのうち2つはいくら考えても結びつかない上フレンドもなぜそうなるかはわかりませんでした。

 そして、答えてもなお、納得がいきませんでした。それらの数字は話の流れから行けば、入力装置の持ち主が設定した、という前提で手がかりとの関連付けが成り立ちます。しかしその最後の桁は、エリアガイドによれば持ち主の散り際に残された数字が手がかりということでした。でも、持ち主がそこで散ったのならその数字は誰が設定したのでしょうか? この時点で手がかりと答えを関連付ける前提条件と矛盾しています。にもかかわらず、そこは「散り際に残った数字だから最後の桁」という理由で答えになっているのです。それは理屈が通らないんじゃあないでしょうか……

 しかし、この記事は「そんなもん誰が解けるんじゃ!」と思いました。おわり。とは締めくくれないのです。なぜって、「解けてる人は解けている」からです。そしてわたくしは解けなかった以上、「解けなかった人」なのです。これまでも単独で解けなかったところに追い打ちを受けてすっかり落ち込んでしまい、勝手に自信がなくなってしまいました。先は気になるのでこの先にも挑みたい気持ちはある。けれどもこれから先もきっと、バグで解けないのか、自分が気付かないのか、何を使って何を使わないのか、手がかりは足りているのか……といった組み合わせ爆発で頭がパンクした挙句自分だけわからずじまい、という辛い状況に陥るかも知れないと思うとそれはそれで何とも言えない気分です。板挟みは精神に悪影響を及ぼします。

 Pandoraは「マスター条件」として設定されている隠し要素を解いた証明になるスクショを提出すると、そのマスターの証となる画像を受け取ることが出来ます。これがいわば「マスターバッジ」です。フレンドは「解いてはいるけどもらわなくてもいい」と受け取っていないのですがわたくしはせっかくだから、と自分が解いたわけでもない謎の解答後の写真を自撮りしてEp.2までのマスターバッジをもらっていました(1はヒントをもらいつつ一応単独で答えたところもありましたが)。写真のように自慢気につけていますが、「すごいねー」と褒められると実際には心苦しいものがありました。一身で戦い抜いて犠牲になった錆兎のお陰で鬼殺隊に受かった義勇さんが「俺は柱なんかじゃない」と言っていたのと同じような気分を味わう日が来るとは思いもしませんでした。しかし、義勇さんに倣うなら想いを継ぐという意味で、このバッジを以て「自分と同じ苦しみをフレンドが味わうのを避ける」ことができると思っていました。自分で解答してないけど一応仕掛けは分かるのですから(未だに答えだけわかって仕組みが分からない箇所がありますが)。最初にPandoreの噂を聞いた時は「広いから案内が必要なんだ」と思っていましたが、それだけではないということを十分に思い知りました。「ここの解答に何が必要で、仕掛けの意味や動かし方や順番はこうで、正常に機能しているか、壊さないようにするにはどうすればいいかを教え、どう考えても一意に答えが決まらなさそうなところはうまく補う」といった存在がいなければわたくしのように永久にのたうちまわる羽目になる人が出ること請け合いだからです。案内人の真の存在意義はそこにあったというわけです。しかし、先人は案内なくしてそれを潜り抜けてきたわけで、そうでなくとも踏破した人は案内を受けながら自分で答えを導き出したことでしょう。結局わたくしはどっちもできなかったので、今回打ちのめされた結果バッジをつけてるのが急に恥ずかしくなってしまい、外してしまいました。まあそれでも、せっかく案内はできるので行ってみたいと思ったら声をかけていただいたらそれは喜んで行くのですが……

 まあ、そんな感じです。特にオチもないハイパーお気持ち記事です。人間の心はどうして些細なことで荒んでしまうのでしょうか。客観的に見てもあんまりにもあんまりなのはわかっているのですが、わかっているのと折り合いをつけることは遠く離れているのでこうした記事を書いてしまうんですね。アウトプットの方法は人それぞれです。そしてわたくしはそれでもなお、性懲りもなく先には進もうとするのです。その結果、「吉兆」が自分の中に残されれば僥倖ですが、果たして……

Avatars3.0で物を出し入れする

 こんにちは。DECA GEARはホントに出るんでしょうか。
Najikoです。

前書き

 今日はついに、というかいマサラタウン感があるんですけれども物の出し入れについてやっていきます。結構、最初認識していた知識に誤りがあったりしたので特にレイヤー周りの構造は一応の正解をはっきりさせられたらな、と思います。物の出し入れの設定とは要するに、VRC内で例えば普段何も持ってないアバターの手にアイテムを持たせたり消したりする、といった設定をUnity上で行うということです。これができると改変の幅が大きく広がる他、アニメーションの性質の理解に向けて一歩前進できます。

小物の用意

 さて、前回の記事で尻尾に謎のsit判定を仕込んだこんちゃんを引き続き利用していきたいと思います。今回はこんちゃんの手に看板を持たせることを目的としてやっていきましょう。

今回使用した素材はこちら。
https://booth.pm/ja/items/1085365

そして、看板に掲げる文字はこちら。

これは何かと言いますとですね、一緒に写真を撮りたい人がいる時にこれを出すわけです。特に、VRChatでは思いがけず有名な方(イベントの主催や有名ワールドの作者の方など)とお目見えする機会があったりするのですが、話をさえぎって「写真撮らせてくれー!!」とアピールするのも恐縮なので、スッとこれが書いたパネルを出すと目に入った時に大体応じていただけます。無言勢のわたくしには重宝するアイテムです。

早速、こんちゃんのプロジェクトに看板と上の画像を貼ったテクスチャをインポートしました。そして立て看板をこんちゃんのいるScene上にドラッグアンドドロップすると……

はい。バカでかい看板が登場しました。右上に「Scale」とある部分を見て下さい。現在は1/1サイズなわけですが、これをXYZそれぞれの方向に対して0.3に設定すると、

まあ、いい感じの大きさになった気がしますね。それでは、次にテクスチャを看板に設定するためマテリアルを作成します。Project上で右クリックして、Create→Materialと進みます。

こうしてNew Materialができたら、次にInspector上の上の方のShaderタブをクリックしてシェーダーを選択します。

今回、上の画像のようにUnlit Textureを選択しました。Unlitはワールドの光源の影響を受けずに描写されるためお出しした看板が真っ暗、または眩しすぎて全然見えない、といったことがなくなります。

今度はMaterialにテクスチャ画像を設定します。上のAlbedoと書いたところをクリックして画像を選択します。すぐ隣にある看板のテクスチャ画像を設定します。

次にHierarchyの立て看板を展開して、ボードと柱のそれぞれのメッシュ(ガワのこと)にMaterialを設定していきます。Mesh Rendererのすぐ下のMaterialと書いた▼を展開して出します(最初はたたまれています)ここのElement 0と書いたところに、標準では「看板」というこの3Dモデル標準のマテリアルが割り当てられていますが、ここに先ほど作ったMaterialをproject上からドラッグアンドドロップしてみます。

するとこのように、Secene上の看板にもしっかりテクスチャが反映されているのが見えますね。

柱の方も同様に行います。本来、メッシュが別々ならMaterialも別々のものを使用することもできますが、今回は1つのテクスチャにボードと柱両方の分が描写されているので、同一のMaterialを設定すればOKです。

小物の設置

 一旦Hierarchyの看板の階層を閉じて、画像のように親の階層を選択した状態にしてからScene上の矢印を引っ張って看板をこんちゃんの手のところに持っていきます(先ほどMaterialを設定したメッシュの方を選択したまま動かしてしまうと面倒なことになります)。もし矢印以外になっている場合はHierarchyの上にあるいくつかのボタンの内左から2番目にある、矢印が十字に交差しているボタンを押せば矢印が出ます。そして……

さらにRotationをいじって看板を回転させます。真横から見るとこんな感じで、表面が下になるようにすると出した時に正しい方向になります。先ほど説明したボタンの内リサイクルマークみたいなやつは回転を表しており、これを押すと手動でモデルを回転させることが出来るようになります。またScene右上の四角い立方体をクリックするとパースのオン、オフ、また立方体から出ている円錐をクリックすると真横や真上からの視点に切り替えることが出来るのでうまいこと調整してください。

真上から見るとこんな感じ。看板が手から離れていないかなどよくチェックしましょう。

次にHierarchy上の看板の親オブジェクトを選択して右クリックし、Unpack Prefab Completelyを行います。これは何、と言われると説明が大変なんですけど、これをやらないとオブジェクトがHierarchy上で自由に階層を移動できなくなります。看板を入れる先のこんちゃんも同様にUnpackしておきます(画像ではすでに行われています)。

今度はこんちゃんの階層を展開してArmature内のHips→Spine→Chest→shoulder.R→upper_arm.R→lower_arm.R→hand.R
と階層を辿っていき、このhand.Rに先ほどの立て看板をドラッグアンドドロップします。

はい。無事階層移動が出来ました。これで看板はこんちゃんの一部となります。このままアップロードすると常にこの看板を手に持ったこんちゃんになります。例えば帽子をかぶせたりする場合はこれと同じ方法で、位置を合わせた後Headのところにでも入れておけば常に帽子をかぶったこんちゃんがアップロードできます。今回は出し入れまでできるようにするのでまだ終わりではありません。それと、看板のTransformに設定されている値がえらいことになってるのが見えると思いますが、あれはアバター内に存在している場合の値を計算しているようで、こうなると微調整はかなり面倒になるので、サイズなどをいじり直したい時は一旦入れた小物をアバターの階層の外に出せば数値が直るので、その状態で数値を調整して再度アバター内の階層に入れるようにするといいでしょう。調整が終わったら、一旦右上の「立て看板」と書いた左横のチェックボックスを外して看板を非表示にします。

アニメーションの設定

 いよいよアニメーションを設定していきます。急にアニメーションとは? と思った方に解説です。この場合のアニメーションとは何かを動かしたりする演出ではなく、「物の表示、非表示の切り替え」という処理を行わせるためのファイルです。「看板を出すアニメーション」「看板を消すアニメーション」を切り替えることで出し入れを行います。まず、こんちゃんの一番上の階層を選択した後、Inspectorの隣のAnimationタブをクリックします。

その後、右の方のCreateボタンを押してから適当な名前を付けて保存をすると、projectの現在選択しているフォルダ内にアニメーションファイルとアニメーションコントローラーファイルが作成されます。これは前回の記事でも解説した通りです。四角が3つと三角が1つ描いてあるアニメーションコントローラーはアニメーションの編集が終わったあとで削除します。

次に、右上の録画ボタンを押すと、録画ボタンが赤くなりこんちゃんがよっこらせっとしゃがみます。このしゃがみはアニメーション編集時にアバターのボーンの回転などがデフォルト値になることで発生するらしいですが、要するに「アニメーションファイルの編集中ですよ」の合図なので気にする必要はありません。逆にこのポーズが直らない間はアニメーションと関係ない値はいじっても反映されません。で、この状態になったら……

先ほど非表示にした立て看板を表示します。すると、チェックボックスが赤くなります。これは「今編集中のアニメーションではこの動作をやるよ」という意味で、これでこのアニメーションは「看板を表示する」指示を出すアニメーションになりました。

アニメーションタブを開いて録画ボタンをもう一度押すと編集終了です。「立て看板」にチェックボックスが入った指示が右上に表示されているのが見えますね。

ここまで終わったら例のアニメーションコントローラーファイルは削除します。しかし、ここまでしてもなおしゃがんだ姿勢は直りません。このままではいけないので……

適当なアニメーションファイル(今作ったのではなくてもいいです)を選択し、Animationタブを開くとこんちゃんのポーズが直ったりします。直らない時は色々なアニメーションファイルを選択してはAnimationタブを開いてみましょう。多分いずれ直ります。確実な方法として本来は、Animationファイルをいじる時はHierarchy上でこんちゃんをCtrl+Dでまるっと複製した後、コピー元を先ほどの看板のように非表示にし、コピー側で上記のアニメーションの編集を行った後コピー後の方のアバターを削除、コピー元を表示、という手順を踏むのが確実なのですがわたくしは面倒なので最近はそこまでしてません。

ここでアニメーションを複製してちょっと編集します。project上のkanbanアニメーションファイルを選択しCtrl+D(project上でファイルを複製する際は必ずこのショートカットキーを使用するので覚えておいてください)でコピーします。するとkanban1というアニメーションが出来ます。

今回はファイル名を「non」にリネームし、右上の「立て看板 1」と書いた指示の「1」の部分をクリックします。そしてこの部分を0に書き換えます。

これでこのアニメーションは「看板を非表示にする」アニメーションに書き換わりました。ここまでできたらアニメーションを配置するためFXの編集をしていきます。

アニメーションファイルの設定

 Hierarchyのこんちゃんの一番上の階層を選択して画面右上のInspectorタブを開き、下の方にスクロールしていきます。すると、FXという項目が見えますね。これをダブルクリックします。

するとこのような画面が開かれます。こちらは前回の記事で表情のためのハンドサイン設定などをいじった場所で、おさらいをするとこのような構造になっています。

AllParts
何も入れません。ここにアニメーションを設定してしまうとアバター切り替え時にチラ見えしたりします。

New Layer
これは表情用に新規に作成したレイヤーです。中には「表情に使うブレンドシェイプを全て0にする」アニメーションだけが突っ込んであります。

Left Hand
左手のハンドサイン用のレイヤーです。

Right Hand
右手のハンドサイン用のレイヤーです。

これが基本構造になります。物の出し入れをするにあたってはこの4つは一切いじらず新しいレイヤーを作って行います。これを間違えて変なところにアニメーションを入れてしまうと面倒なことになります(わたくしはAllPartsのところによく入れてしまい仕込んだ小物がアバター切り替え時にチラ見えしてしまうなどしていました)

レイヤーの右上の+ボタンを押すと新規レイヤーが作成されます。

新しくできたレイヤーの右のギアボタンを押すと、このような画面が出ます。このWeightというところが最初0になっているのですが、スライドを動かして1にします。これを忘れるとアニメーションが動いてくれないので忘れず行いましょう。

次にLayersの右のParametersをクリックし、また右上の+ボタンを押します。するといくつかわけわからん名前が出てくると思いますが今回は「int」を選択します。これで新しい変数が作成されました。リネームして「kanban」にしておきます。

次にレイヤータブに戻って先ほど新しく作ったレイヤーを選択します。今回はkanban animとリネームしてあります。そこに、project上から先ほど作成した「non」アニメーションをドラッグアンドドロップします。するとこのような感じになります。ここで一度、配置した「non」をクリックしてWrite Defaultsのチェックを外します。

前回の記事でWrite Defaultsをわざわざ使っていましたが、有識者から話を聞けば聞くほど「使わない方が無難」であることが明らかになったので今回からは表情のアニメーションステートマシンも含めてWrite Defaultsは全て外しています。アニメーションの仕組みをある程度理解し、Write Defaultsを有効に利用しつつ不具合の発生を抑える構造を維持できるのなら使ってもよいでしょうが、そうでなければ外しておいた方が間違いありません。

次に「kanban」アニメーションをこの位置に置きます。Write Defaultsがついていたら忘れずに外します。

今度は「Any State」とある水色のボックスを右クリックします。するとMake Transitionという項目が出るので実行します。すると……

矢印を引っ張ることが出来ます。このように「kanban」のボックスに繋ぎます。

同様に「non」の方にも矢印を伸ばしていきます。

今度は「kanban」につながる矢印をクリックしてinspectorを開きます。すると下の方に「Conditions」という項目があるので、その右下の+をクリックします。

すると変数名が表示されたボックスができあがるので、クリックして「kanban」変数を指定します。

その右の「Greater」を「Equal」に変え、さらにその右の0を1に変えます。

はい、するとこうなります。これは「kanban」が1のときはこのステートマシンに飛ぶ(そして看板を表示するアニメーションが再生される)ことを意味します。

同様に「non」に繋がる矢印にも設定を行います。nonの方は値を0にします。「kanban」が0のとき、看板を非表示にするアニメーションを再生する、という仕組みになりました。

またこんちゃんのInspectorを開いて今度は一番下の方のExpressionsのところのCustamizeボタンを押します。これで、Avatars3.0の目玉、Expression Menuの編集に差し掛かることになります。

project上で右クリックしてCreate→VRChat→Avatars→Expression Parametersと作成します。同様にその上にあるExpression Menuも作成します。

作成したExpression Parametersをダブルクリックして新しく変数を登録します。今回は「kanban」変数を作成したのでその名前を入力します。

タイプミスして名前を打ち間違えないように気を付けましょう。ミスがあると動きません。

Expression Menuの方を編集していきます。選択したらAdd Controlをクリックして新しいコントローラを作成します。

するとこのように新しいコントローラが作成されました。Nameをkanbanにして……

TypeはToggleを選択します。これでメニューのボタンを一度押すとオン、もう一度押すとオフにできます。

その下のParameterはkanbanを指定、Valueを1にします。これで、「メニューのkanbanボタンからオンにするとkanban変数が1になってkanbanアニメーションが再生され看板を出す」コントロールができました。

最後に作成したMenuとParametersをそれぞれの場所にドラッグアンドドロップして設定します。これで準備はすべて整いました。あとはアップロードして動作を確認してみましょう。

この明らかに何か楽しそうな人間のマークがExpressionsです。ここを押すと……

kanbanボタンが出来ていますね。そしてこれを押すと……

はいドーン!!完成ー!!!
kanbanボタンをもう一度押すとちゃんと消えるのも確認しましょう。持ってるとこがヘン、とか向きが逆、とか判明したら位置調整しなおしになりますが、上に書いたように階層の外に出してオブジェクトを編集すると出し入れするアニメーションも作り直しになるので注意してくださいね。

以上になります。色々大変かとは思いますが、この理屈を基軸にステートマシンや矢印の行く先をいじり倒してアバターギミックを作っていく……ことになるのでしょうが、大変なのでこれだけできれば大概十分だと思います。それでは、わたくしはキャベツにマヨネーズをかける作業に入りますので、さようなら。次はEXメニューを利用したマテリアル変更あたりについて書こうと思います。